2010 どうしてこうなるのでしょうか 新型インフルエンザ ニュース記事に関連したブログ

2009/08/25 17:20

 

 

 どうも言い出したら止まらないというか、はずみがついちゃっているというか。よく分からない勢いのようなものに乗ってばたばたとモノゴトが決められていく印象です。麻生太郎首相が25日の閣議で新型インフルエンザ対策について、万全の態勢を取るよう指示し、舛添要一厚生労働大臣は不足するワクチンを輸入する考えを表明したそうです。

 しかも、《新型インフル輸入ワクチンの治験 専門家ら集め決定》という記事によると、舛添厚労相は閣議後の会見で「明日にも専門家や薬害被害者などを集めた会合を開き、治験(臨床試験)をするかどうかを決めたい」と述べています。「治験するかどうか」ということは、治験をすっとばしてワクチン接種を始めてしまうこともありうるということでしょうか。こうなると、明日、つまり26日に急遽、集められる専門家の意見は重要です。大臣の鼻息についつい押され、安全性の確認は外国まかせで構わないから、できるだけ速くワクチンを輸入して接種を開始しようといった意見に落ち着いてしまう。そんなことにはまさか、ならないでしょうね。
 
 1000万単位の人を対象に接種を行うインフルエンザのワクチンでは、極めて小さな割合ではあっても、副作用を訴える人が出てくるのは避けられません。問題はその程度です。重篤な副作用が多数の人に見られるようだとしたら、感染拡大の防止効果や感染した人の重症化回避といった利益よりも、副作用の不利益の方が大きくなり、ワクチン接種は行わない方がよかったということになります。
 
 今回はインフルエンザという旧知の病気であるとはいえ、病原体のウイルスは新しいタイプのウイルスであるうえ、欧米のワクチンと国産のワクチンでは製造法や用量などが異なるといった事情もあります。おまけに《海外メーカー側は緊急に作られたワクチンであることを理由に、副作用が出た際の免責を求めており》というような状態です。少なくともワクチンの安全性に関しては、治験をしっかりと実施し、従来の季節性インフルエンザのワクチンの場合も参考にして、副作用は許容限度の範囲内にとどまるのかどうかといったことを判断する必要があります。
 
 そうした手続きもすっ飛ばしてまで、ワクチンを輸入するようなことには、とうてい賛成はできません。場合によっては、自らの将来を賭してもというぐらいの覚悟で、専門家の皆さんには苦言を呈していただきたい。
 
 それにしても、舛添さん、どうしてそんなに輸入に固執し、しかも、これほどまでに急ぐのか、理解できません。新型インフルエンザの拡大に対して、必要な手を打っていくことはもちろん必要ですが、それは社会としての総合力の勝負です。ワクチンがすべてではありません。新型インフルエンザのワクチンは誰も受けていない現状でも、感染した人の大多数は、重症化することなく、一週間程度で回復しています。ただし、重症化のリスクが高い人もいるので、そうした人たちが死亡しないようワクチンや治療の提供を考えていく。何度も書いているように、これが対策の基本です。
 
 舛添厚労相の会見では、《国がワクチンの必要量としてきた5300万人分の内訳》も公表されたそうです。
 
  ぜんそくなどの持病を持つ人約1000万人
  妊婦約100万人
  乳幼児600万人
  小中校生約1400万人
  65歳以上の高齢者約2100万人
  医療従事者約100万人
 
 地域的な流行状況をにらみつつ、ぜんそくなどの持病を持つ人、妊婦、乳幼児、医療従事者らに優先的にワクチン接種を進め、ワクチンが不足する分は、重症化する前の早期の治療提供などで対応する。特定の医療機関に一時期に患者が集中してしまい医療現場が混乱するようなことさえなければ、これから先の半年くらいは、こうした態勢で乗り切ることができるのではないでしょうか。あわてて1日か2日のうちに結論を急がなければならない理由はありません。あるとすれば、それは何か別の政治的な理由(あるいは思惑)ということなのかもしれませんね。今回の新型インフルエンザの流行は、日本の社会が、いま使えるリソースを活用して対応することが十分に可能な病気だということを基本にして対策は考えるべきでしょう。

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コメント(7)

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2009/08/25 18:15

Commented by Cosplay さん

お前さんは力がないと思うが、それでも、何とか努力せよ

 
 

2009/08/25 23:48

Commented by starbeast さん

宮田さん
日本の『対新型インフルエンザ対策HQ』は何処にあるのでしょう?米国の場合はCDCが全面に出ています。日本の場合も対応の実権を感染研に置いて政治はその行動をバックアップする方が良いのではないのでしょうか。

感染研で重症化例や死亡例の分析を行い、dataを現場にフィードバックさせる体制が今は必要ではないでしょうか…感染研もずっとリリースを出し続けていますが、CDCに比べると弱い気がしますね。

 
 

2009/08/25 23:55

Commented by 宮田一雄 さん

starbeast様

 政府には新型インフルエンザ対策本部というのがあります。実質的には厚生労働省新型インフルエンザ対策室でしょうか。感染研もいい仕事をしていると思いますが、米国のCDCとは人員面でも予算面でも、かなり規模に開きがあるのではないかと思います。

 
 

2009/09/01 01:37

Commented by skyteam さん

>手続きもすっ飛ばしてまで、ワクチンを輸入するようなことには、とうてい賛成はできません。

 それでもポリオの時にはこういう事例もあります(ポリオワクチンのソビエト連邦やカナダからの未承認の事例を知らないのかなぁ?
http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/index.html
)。
 対岸の火事の時にはやいのやいの反対・・・自分のところに「被害」が増えてから大騒ぎというのが日本のメディアの性格なのでしょうか?欧米諸国の対策とは違って、ワクチンなしで防御可能でしょうか?あたかも「竹やりでB29…」のようにも映りますが。

 
 

2009/09/01 04:27

Commented by 桜子 (sakurako) ★ さん

skyteam さま

こんばんは、桜子です。


> それでもポリオの時にはこういう事例もあります(ポリオワクチンのソビエト連邦やカナダからの未承認の事例を知らないのかなぁ?
----------------------
まるで別の事例を持ち出してきても意味がありません。

ポリオは予防効果があり、安全性が高いです。
現に野生ポリオの発症がありませんでしょう。
新型インフルエンザワクチンについてはご自分でお考え下さい。


> 欧米諸国の対策とは違って、ワクチンなしで防御可能でしょうか?
-----------------------
インフルエンザワクチンはわが国が製造を予定している分量で十分でしょう。
十分でないとおっしゃるのでしたら、その根拠は何でしょうか。
「欧米諸国が用意しているから」でしょうか。
インフルエンザワクチンを売りたい製薬会社の宣伝マンをなさっておられるのでしょうか。

 
 

2009/09/04 02:13

Commented by skyteam さん

桜子さま>
 他の事例でも、そういう歴史も知らないで語るのもなんだか・・・ですが。あえて、新型については感染すると死亡する危険性が高い患者さんにだけ打っていくことだけになります。
 また、日本の製造予定はおおよそ欧米の半分どころか1/4以下です。まぁ、病院で働いていると他の手術予定の患者さんなどが迷惑することになるのと、元々冬場は通常、インフルエンザと肺炎患者さんのために病院がパンクしていることも知ってくださいね。もちろんお元気な方は「自宅」で療養されれば治りましょうが、がん患者さん、透析患者さん、小児や妊婦さん、そういった方の健康にももう少し配慮をお願いしたいです。

 
 

2009/09/04 11:12

Commented by 桜子 (sakurako) ★ さん

skyteam さま

こんにちは、桜子です。

> 新型については感染すると死亡する危険性が高い患者さんにだけ打っていくことだけになります。
------------------------
ようやく、質問にお答え下さったのですね。
つまり、新型インフルエンザワクチンは、季節性インフルエンザワクチンの効能から考えて、感染予防の効果は期待されないと推測され、重症化を予防する効果はあるかも知れない(あるだろう)と、それで「感染すると死亡する危険性が高い患者さん」が予防接種の対象となるわけですね。
そうしますと、それって何人なのですか。
腎不全で透析している人は23万人でしたか、27万人でしたか、それくらいですよね。老人は「免疫」があるので、今回の新型インフルエンザには罹りませんでしょう。
そうしますと、たくさん輸入する必要がないではありませんか。
宮田一雄氏の、国内生産量で間に合うでしょうということになりますね。


> また、日本の製造予定はおおよそ欧米の半分どころか1/4以下です。
--------------------
欧米は、あちらこちらに売りつけるのですから。
単に欧米の製造量と比較しても意味がありませんでしょう。


> まぁ、病院で働いていると他の手術予定の患者さんなどが迷惑することになるのと、元々冬場は通常、インフルエンザと肺炎患者さんのために病院がパンクしていることも知ってくださいね。
---------------------
新型インフルエンザについては、ほとんどの人が自宅にいるだけで自然治癒するわけですから、まずは患者さんに正しい、新しい情報を提供して、まずは自宅に留まって貰うように啓蒙することが大切ですよ。
行ったときは医師会館などに発熱外来が設置される計画になっているようですよ。

病院がパンクするとか、そのせいで他の患者さんが迷惑をするから、だからインフルエンザワクチンをたくさん輸入せよ、というお話しですが、ワクチンには感染予防効果は期待できないのですから、輸入するお金を、たとえば2類医療機関の病室を増やすとか、1類医療機関に隔離病棟をつくるとか、そういう方面にまわした方がよろしいではありませんか。

 
 
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