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159 訂正・インドのHIV感染 重要な部分で読み違えがありました 

2007/07/13 00:05

 

 

 156回目の《インドのHIV感染者は「半減」したのか》の終わりから2番目の段落について、訂正があります。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のプレスレリースを走り読みした際に重要な部分で読み違えがありました。インドのここ数年のHIV陽性率は拡大基調ではなく、横ばいということです。

 

 元の文章は以下のようになっていました。

 

 《これまでの500万人を超える推計値が一気に250万人になれば、どうしてもエイズの流行は峠をこしたのではないかという印象になりがちだが、実際には新たに得られたデータをもとに過去の感染の程度も推計しなおしていくと、感染が年々、拡大しているという傾向に変わりはなく、現在も拡大基調は続いているという》

 

 しかし、プレスリースをもう1度、読み返したところ、《感染が年々、拡大しているという傾向に変わりはなく、現在も拡大基調は続いている》との記載を裏付けるような内容はプレスリースにはありませんでした。逆に《2002年以降のHIV陽性率を新たな前提と手法でさかのぼって計算していく》という作業の結果、インドの流行は《この期間を通して横ばいであり、2006年にはわずかに下降している》と書かれています。また、そうしたことを含めて、インドの国家エイズ対策機関のスジャータ・ラオ事務局長は「ここ数年のHIV陽性率を新たなモデルによって計算した結果は、新たな推計値が流行の急激な減少を意味するものではない」と指摘し、推計値の「半減」によってエイズ対策に取り組む勢いが失われることのないよう警告しています。

 

 このため、156回目の《インドのHIV感染者は「半減」したのか》の終わりから2番目の段落は以下の文章と差し替えました。

 

《これまでの500万人を超える推計値が一気に250万人になれば、どうしてもエイズの流行は峠をこしたのではないかという印象になりがちだ。実際には、2002年以降のHIV陽性率を新たな前提と手法でさかのぼって計算していくと、インドのHIV陽性率はここ数年、横ばいの状態であり、2006年にはわずかだが減少しているという。これは対策の成果ととらえることができそうだが、一方で、インドの流行が劇的に下火になりつつあるものではまったくないことを示してもいる》

 

 読み間違いの原因は、アジアにおけるHIVの感染は拡大を続けているという先入観が強かったためではないかと自分なりには思っています。インドのHIV陽性率が横ばいから下降へと推移していきつつあるということが推計レベルでなく、現実にも起きているのだとしたら、これは大きな転機といわなければなりません。

 

ただし、個人的には、インド政府が国際資金の援助と国際機関の技術支援を受け、エイズ対策に力を入れて取り組んできたということを広くアピールするために若干の政治的配慮がもしかしたら推計のプロセスの中に入り込む余地があるのではないかという疑念も(根拠はありませんが)ぬぐえません。これは中国に関しても同様の印象をもっているのですが、インド中国といった人口大国で、HIV感染はこれまで考えられていたよりも拡大していないのではないかという情報に接することが最近はしばしばあります。現場ではどのような受け止め方なのか。インド、中国で実際にエイズ対策に取り組んでいる日本の方も少なくないと思いますので、意見をお聞かせ願えれば幸いです。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: エイズ・感染症

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