茅不足は、茅そのものの不足というより、茅の供給源となる《ヨシ原やススキ野原の保全》、もっといえば、自然と人間とがうまく折り合って生活が営まれてきた接点の喪失があちらこちらで起きているということでもあるのでしょう。昨日、今日に始まったことではなく、何十年も続いている変化ですね。最近は気候変動や地球温暖化に対する危惧などが指摘され、北海道洞爺湖サミットでも取り上げられるそうですから、草地生態系の保護や「水質浄化機能の保全に対する動機付けも高まる傾向にあります。保護や保全は単なる放置ではなく、場所によって人の手が入ることで生きるケースもたくさんあるのでしょうね。
《多面的な価値を見出し、それらを互いに組み合わせることで、貴重な文化財や自然を守って行けたら良いですね》
「茅葺き屋根、癒されるなあ」とか、「このタタキ、おいしいね」といったような多面的かつ、入っていきやすい価値もたくさんありそうです。鎌倉はその意味でも好位置をキープしているので、失われる前に評価することで手が打てるものも、まだまだ探せばたくさんあるかもしれません。世界遺産登録への準備はそうした観点からの理論付けとしても面白そうです。


by 宮田一雄
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